人を信頼すること

よく「あの人は信頼できる」とか「こいつは信頼できない」などと感じることはありませんか?その結果一喜一憂したり、「裏切られた」と感じで怒りや焦燥を感じたことはありませんか?

僕が元々このことを考えるきっかけは、精神世界の本にあった「人は信じてあげれば、その意識が投影されて、実際にそのように行動する働きかけになる」と書いてあったことです。これはとても真実な面があります。特に子供に対しては疑っていろいろ言って行動をコントロールするよりも、積極的に信じてあげた方が断然に良い結果が出ることの方が多いです。

でももう一段考えてみました。私が思うに、究極的には「信用できる人」とか「信用できない人」というのは存在しないと言うことです。「信用」というものは、その人の客観的な評価ではないのです。「信用」というのは、他人に張り付いてものでは全然なくて、完全に自分個人の中で、ある人に対して仮定しているものなんです。ある他人が信用できるか、信用できないかではなくて、自分は一体その人に対してどの程度の信用度を設定しているのか、ということなんです。信用の有無や高い低いはあくまで自分の中のスケールであって、他人の特性では全然ないのだと思います。あの人はどうも信用できない、というのは、あくまで自分がその人に対して設定している信用度と比較して、その人の行動が合致しないということで、その人の客観的な特性ではないと思います。もう一歩言うと、信用とは単に自分がその人に対して持っている期待度であると思います。自分が「この人は信用できない」と言うのは、その人が悪いということよりも、自分がその人に抱いている期待と、その人がやってくれることが全く合致しないということだと思います。「信用できる」ということは人格が優れているとかではなくて、自分がその人に持っている期待の通りに、その人が動いてくれる、ということではないでしょうか?

他人を信用する、信用しないというのは、あくまで自分の中にある、自分のその人に対する個人的な期待度だと思います。そういう面で、他人に対する信頼度・信用度というのを見つめ直してみると、良いのではないでしょうか?積極的に信頼してあげて、ある人に対する期待度を上げることによって、その人がそれに応えてくれる、そういう風に心がけたいですね。信頼できないと感じたときは、自分が抱いていた期待が、その人にとって適切でなかったのかもしれません。でも、その人が期待通りに動いてくれなかった場合の処遇に関しては、人生経験が物を言うのかもしれません。

 

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